わたしの「オズの魔法使い」知識が幼少期に見た作品と、ミッドサマー(黄色のレンガの道が印象的ですね)、フェアリーテイル・レクイエムシリーズ(主にアンコール)くらい。
まっさらな状態で行きたくて、映画情報を避け、ゴーストアンドレディを見ていると四季さん関連で出てくる記事を吹っ飛ばし、当日を迎えました。看板の文字も頑張って避けました。

ほ…本当に!?この大人がほぼ誰も一般的なハッピーを得られていない物語を希望と感動って言ってるの!?とおののく気持ちが強かったです。

舞台装飾や楽曲のパワー、たくさんよかったポイントはありますが、それでもラストに描かれるオズの平和は砂上の楼閣というか、ひと時の安寧というか…危うい均衡の上で成り立っていたものだと思います。手放しでよかったね~~と帰るにはあまりにも考えることが多くて。それぞれでたくさん抱えるものがある物語だからこそ、長く人の心に残る物語なのだろうなとも思います。

カーテンコールでグリンダとエルファバの幸せなハグを観客一同手放しの拍手で迎えられることが一番よかったなあ、と初回のわたしは感じました。
とはいえ前の席の方々がカーテンコールばしゃばしゃ写真撮っててわろうてしまいました。こういう時ってどこかに報告した方がいいものですか?四季さん!!

以下舞台の内容のさまざまな記憶です。
やっぱりまだ自分の中で咀嚼にかかっているところがあって、小説…読むか!になっている段階ですが、一旦書いておきます。

▼舞台装飾、衣装が良すぎる

・オズの魔法使いのイメージとの乖離
表題作はカントリーなイメージだったのですが、ずいぶん機械的な印象のセットだと初見で感じました。
機械仕掛けドラゴン、可愛い。公演中想像よりいっぱい動いて楽しかった。目も光る。光っているとより生きていていいですね。

・エメラルドシティの眩しさ
人工物緑って若干不自然で怖い!!!でも出てくる人々のデザインがみんな華やかでかわいい。リボンつきの軽やかな動きに、背景の歯車の硬さが映える…。いいですね。大はしゃぎ全てがあるシティ。

・マスコットキャラがちょっと夢に出そう
「可愛い」よりも「怖い」「不気味」が先に立つマスコットキャラ。物販にもいたフラットヘッドさん、ただでさえキャラデザがホラー寄りだと思ってたら舞台で首まで伸びておののいた。
小学生のわたしならきっと夢に見ていた。そういう理不尽な動き。

・女たちの服装が可愛い
シルエットが明確に違うエルファバとグリンダのスタイリングが最高!!!!!
終盤でふたりで並ぶ時間が増えれば増えるほど対…ではないけれど、一目で目を引くキラキラ輝くドレスと、よく見るとわかるレースの意匠との差がわかり…最高!!映画もこんな感じかな。寄りで見れるの楽しみだな〜!!!!

総統ネッサローズも手首ポンポンと、足を映えさせる演出のためとはいえかわいらしさの残る丈のドレス。可愛い。
あの時の言葉はめちゃくちゃ厳しいし、やっている時も権力を振り回す大人気なさなのに、どこか幼い妹の背伸びが見えるのは衣装と役者さんのデザインのおかげだろうと思います。可愛い。とても。

▼曲について

・ワンダフルが一番好き!!!!!!!
歌詞も調子もいくらなんでも好きすぎる。
明るくて朗らかで罪悪感がゼロで良いことをしていると信じてる近くにいたら怖いやつ、だーいすき!!!!!!
オズはどちらかというと考えが目の前のチャンスを転がしていたらこうなってしまった短絡的な風で、それも良かったです。
その場の情で動いてて長期的な見通しとか根回しとかあんまり上手くなさそうな…その代わり民衆を伴う扇動は上手そうな…。オズ、よい生き様だった。自覚のある悪というわけでもなさそうなので、生き様というしか…。
「ほんとなんかどうでもいい」、萌えですね。

・ポピュラー!!!
グリンダって本当に可愛くて…。
今の自分の努力と成功体験を惜しみなく人に伝えてくれるところ、悪い子ではないけれど人の気持ちをいっぱい考えられるような配慮はなくて、でも心からの思いやりからの行動で…全部ひっくるめて「かわいい」に丸めてしまうキャラデザイン。キラキラしていてかわいい女の子。善い子。
「押しつけがましい」というには無邪気で善意で憎めないバランス、上手でした。

▼人物について

・一筋縄でいかない女ばかり!!!!!
最高の部分であり、大衆……ほんとに!?部分でもある。グリンダは可愛いけれど小賢しくボックを使うし、エルファバは状況が悪いとはいえ人に迎合する努力全くなく強めに臍を曲げているし、ネッサローズは差し出された男にめちゃめちゃになるし…。全員近年の悪役令嬢ものに出る才能がある。出てくる女性が全員そっち側のことあるんだ……。

学校パートで年齢ゆえのやつ!ほほえましい!と思っていたらそのまま熟成されていたのでドキドキしました。強すぎる、この女たち。独善のぶつかり合い。
与えただけ愛がかえってくると信じるさまは、周りの大人に愛されて育ったゆえのものだと思うので、やっぱり可愛いね、ネッサローズ…。

・ディラモンド教授の人生って……
丁寧な尊厳の踏みにじりが発生してしかも報われなかった!1度失ったものはそう簡単には帰ってこないよね、と思う寂しい気持ちと、エロすぎる………というオタクによくある分裂を起こしています。脳の儚さ、オズの力。いい味。洗脳退行見せつけ、エロいでしょうが。
再登場のとき、本人が努力して得たはずの二足歩行も言葉も奪われて他のなんてことないヤギと同じ扱いを受けてる(むしろ見せつけのために自由が少なそう)なの、すごいことですね。
観劇後に話しましたが、おだっちの手で描かれそうな踏みにじり方。


まとめていて思ったのですが、グリンダとエルファバの一瞬の邂逅、人生の変化のときでありながら主要人物どこを見ても失ったものが多く、かえってこないもの(命や尊厳、信頼関係…)が主なため、人生って……の虚しい方面に頭が振れているのかもしれない。どうあれ人生も国も大衆に囲まれながら続くものだと思うので、余白の存在が大きくて。
そしてそれが世間での感動と奇跡!というプロモーションと食い違っているため頭が混乱しているのかもしれないなあと思います。ベイマックスのほっこりハートフル売りは大丈夫だったのに!!!!???

善悪やルッキズム、自分で行く道を選べない人などのテーマがあることはわかるんですがまだ頭の中にどこか諸行無常があります。
映画も見に行って確かめたい、他の描かれ方を…。奇しくもおのれの誕生日に公開のウィキッド前編……。